Objets décoratifs en bois fossilisé

珪化木の洗面ボウル

浴室や洗面台に据える器を選ぶとき、多くは陶器か大理石に行き着く。珪化木の洗面ボウルは、その選択肢の外側にある。素材は石でも人工物でもなく、かつて地上に立っていた一本の木そのものだ。二億三千万年という時間をかけて鉱物に置き換わった木質は、木目を残したまま石の硬さを持つ。水を張っても、湯を注いでも、姿は変わらない。

洗面ボウルという、もう一つの選択

浴室や洗面台に据える器を選ぶとき、多くは陶器か大理石に行き着く。珪化木の洗面ボウルは、その選択肢の外側にある。素材は石でも人工物でもなく、かつて地上に立っていた一本の木そのものだ。二億三千万年という時間をかけて鉱物に置き換わった木質は、木目を残したまま石の硬さを持つ。水を張っても、湯を注いでも、姿は変わらない。

マダガスカル南西部、一本の木から始まる

マダガスカル、コントラストのある木目の原木ブロック
南西部の乾いた大地から掘り出された一本の木。

Medusaが扱う珪化木は、マダガスカル南西部の乾燥地帯から一本ずつ掘り出される。トリアス紀、約2億3千万年前に倒れた木が、火山灰や地下水に埋もれ、木の細胞組織が少しずつ石英に置き換わっていった結果がこの原木だ。年輪も、樹皮の質感も、当時のまま石として残っている。

土地から切り出す段階で、木は一本ごとに扱われる。同じ地層から出た木でも、埋没した深さや周囲の鉱物含有量によって、置換の進み方はまったく異なる。だからこそ、二本として同じ木は存在しない。

名前を持つ木、二つとない色

珪化木の断面に現れる色の濃淡
同じ地層から出ても、色はそれぞれ異なる。

Medusaでは、原木一本ごとに名前を与えている。琥珀色の Ambra、銀灰色の Argentea、褐色の Fusca、漆黒の Umbra、深緑の Viridis。これは製品カテゴリーの名前ではなく、木そのものの固有名だ。

色を決めるのは、埋没時にその木が取り込んだ金属成分である。

一本の木がどの色に仕上がるかは、掘り出してみるまで分からない。そして、その木を裁断してしまえば、同じ色合いは二度と現れない。洗面ボウルとして削り出された一点は、その木が持っていた色の、最初で最後の姿である。

森ではなく、一本の木の記憶を、洗面台の上に置く。

石英としての強さ、硬度7という事実

珪化木の実体は石英だ。モース硬度は7。日常的に使われる金属や刃物のほとんどより硬く、水にも熱にも紫外線にも凍結にも反応しない。洗面ボウルという、水と絶えず接する用途において、この性質は装飾以上の意味を持つ。

木の質感を保ちながら、木としての弱点を持たない。これが珪化木という素材の核心だ。

一本の原木から、一つのボウルへ

原木から洗面ボウルを削り出す作業は、型に流し込む工程とは根本的に異なる。石英化した木は硬く、木目や色の濃淡が一定でないため、内部をくり抜く角度や厚みは、その原木の状態を見ながら職人が判断していく。

削りすぎれば色の層を失い、浅すぎれば重量と厚みのバランスを崩す。一本の木の中に眠っていた年輪や色の濃淡が、最終的にどの位置に現れるかは、削り進めながら見極めるほかない。量産では成立しない工程であり、だからこそ一点ごとに表情が異なる。

空間に置くということ

珪化木の洗面ボウルを設置した空間
石の重みと木の記憶が、洗面台の上で共存する。

洗面ボウルは、毎日目にし、毎日手を触れる場所にある。珪化木のボウルを据えると、その場所は単なる機能の空間ではなくなる。年輪の描く線、金属由来の色の濃淡、石としての重み。それらは装飾として付け加えられたものではなく、木がその一生の中で刻んだ痕跡そのものだ。